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zoom RSS 多機能護衛艦(DEX)について

<<   作成日時 : 2014/03/02 21:47   >>

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「多機能護衛艦(DEX)について」

 昨年末に策定された「防衛計画の大綱」及び「中期防衛力整備計画」の中に「多様な任務への対応能力の向上と船体のコンパクト化を両立させた新たな護衛艦を導入する」との記述がある。この「新たな護衛艦」について、「世界の艦船」4月号の巻頭に同誌編集部が海上自衛隊から独自入手したとするCG(下図)が掲げられている。
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 多機能護衛艦(DEX)と称するその艦は説明文によると、「従来のDDやDEとは一線を画す多機能護衛艦で、多様化する自衛隊の任務に対応した各種戦能力を持つ。島嶼防衛時などを想定して、敵威力圏下での生存性を高めるため、ステルス性、高速性(速力40ノット以上)、電子戦能力が追及され、従来護衛艦ではまったく対処できなかった対機雷戦についても、搭載の無人水上艇(USV)と無人潜水艇(UUV)などを駆使して対応可能。 (中略) 兵装として127mm単装砲、20mmCIWS、シーRAM近接防御SAMを備え、後部にはヘリコプター/無人航空機(UAV)用の格納庫と飛行甲板を持つ。ただし、VLSやSSM発射筒などは描かれていない(注:装備しない?)。基準排水量2000〜3000トン、機関形式ウォーター・ジェット推進、速力40ノット以上 (後略)」とのことだ。

 また、本号には東郷行紀元海将補(元開発群司令)が新中期防期間中の新造護衛艦について記事を寄せており、その中でDEXについて言及している。
 それによると、DEXが具備すべき機能として、◇C4ISR機能(米海軍・他自衛隊との相互運用性確保)◇対機雷戦能力(UUV、USVの装備)◇対潜捜索機能(VDS・TASSの装備)◇対水上捜索機能(航空機・UAVの装備)◇近接戦闘機能(近接対空・対水上及び電子戦能力)◇単艦出入港機能(運動性、浅吃水)◇高速ステルス機能―を挙げている。
 そして、「上記には旧地域配備という概念はまったくなく、警備担当海域だけでなく、海外を含むあらゆる任務に対応できるよう考えられている。また従来の護衛艦ではまったく対処できかった対機雷戦を可能にしたところが極めて斬新な発想である」と述べている。

 DEXの性能等は、速力40ノット以上(36メガワット級ガスタービン主機2基)。船体はステルス形状、主船体が鋼、上部構造物がCFRP等で軽量化を追求。主砲は対地射撃能力の必要性からOTOメララ社製127mm/64口径軽量砲装備。電子兵装はFCS‐3の多機能型を装備せず、簡易型FSCを装備。対空戦はCIWSとシーRAM、さらに長射程チャフ等ソフトキルを充実させる。対潜捜索センサーはVDSとTASS、小型ハル・ソナーも必要。対機雷戦はUUVとUSVの組み合わせで実施。航空機はUAVとヘリコプターを必要に応じて搭載(注:固有装備とはしないが、整備員など運用に必要な人員は常時乗り組んでいる)。C4ISR機能は少なくとも汎用護衛艦並―などと推定している。
 ただ、対艦ミサイルの搭載については不明としているのに加えて、対潜戦についても攻撃能力については不明としている。「せめて短魚雷の装備は必要であり、再考を期待したい」と述べていることから、短魚雷やアスロックを装備しない計画であることが窺える。

 東郷氏は、DEXの整備数及び価格について22隻、1隻当たり400億円と見積もっている。新大綱では護衛艦の保有数を54隻としているので、ここから4個護衛隊群に所属する計32隻(DDH4隻、DDG8隻、DD20隻)を引くと、DEXの整備数は22隻となるわけだ。
 大綱の期間は10年なので年度2隻以上のペースで建造する必要がある。2隻分の予算を確保するためには、1隻当たり400億以下に抑えなければならないだろうと推測している。
 しかし、東郷氏は上記の性能を確保した上で400億円以下に抑えるのは極めて困難だと述べている。400億円以下に抑える方法として東郷氏は、スペックダウンやミッションパッケージ方式などを提示しているが、低性能なDEXを無理矢理整備するのは本末転倒だ。必要な予算は何としてでも獲るのが筋だろう。そのためには防衛整備特別会計の創設と少なくとも毎年5000億円の予算確保が必要と考える。

 いまのところあくまで推測に過ぎないのだが、対水上及び対潜攻撃能力を欠くのは不適切極まりない。対艦ミサイルと短魚雷、アスロックの装備は是非とも必要だ。
 逆に、対機雷戦能力は必要ないと思う。掃海は専門の掃海艇・艦に任せたほうが効果的、効率的だ。高価なDEXに機雷掃討を任せて被害に遭えば割に合わない。DEXに対機雷戦能力を持たせようとしているのは、掃海艇の減勢を見越してのものだと思うが、平成35年度末の掃海艇・艦の勢力は19隻とのことだから、特定地域での作戦(例えば、離島奪還など)には充分な戦力だと思う。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
40ノット!!
島風以来の高速駆逐艦ですね!
フルート
2014/04/15 09:02
アスロックなんて積むだけ無駄でしょ
SSMも積む必要性ないわ…
名無し
2014/05/03 13:31
対潜、対艦は切り捨て、対空は自衛程度、か。
軍艦としては無駄に近い40ノットの高速艇といい、
つおい巡視艇って感じだな。
本格的な機雷戦区域には専用艦を投入して、
港湾含めた本土周辺の自衛程度ということか?
昔の、二線級の駆逐艦とかに近い役割だな。
まあ多少のブラフは入ってると思うけど。
とてちて
2014/09/22 16:49

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