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zoom RSS F‐35の強みは高い状況認識力と情報支配能力にあり

<<   作成日時 : 2017/07/15 21:08   >>

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「F‐35の強みは高い状況認識力と情報支配力にあり」

 昨日のブログを補足します。

 「軍事研究」8月号掲載の「革新技術と発想が生むゲームチェンジング・ウエポン Modern Game‐Changing Weapons 戦争を変える『現代の超兵器』 Vol 1 F‐35Bステルス戦闘機とライトニング母艦」(軍事情報研究会)と題した記事では、ロッキード・マーチンF‐35ライトニングU戦闘機の強みはステルス性のみにあるのではないことを強調。重要な2つの先進的能力として、「将来戦で最も大切とされる、統合化されたセンサー融合技術による高い状況認識力と、搭載する大容量データリンクおよび高度なネットワーク連接技術がもたらす戦場の広範囲な情報支配能力」を挙げ、次のように解説している。
画像

 [F‐35は、機体に様々な攻防両用センサーを備えている。まず機首部には、攻撃機能面のセンサーを積む。火器管制装置のAN/APG‐81AESAレーダーと、AN/AAQ‐40電子光学目標捕捉システム(EOTS:Electro Optical Targeting System)である。長距離センサーのAPG‐81レーダーは、ステルス性に優れた上向き固定アンテナ方式の多機能レーダーで、超小型レーダー機能を備えた送受信モジュールを1676個もアンテナに組み込み(F‐22のAPG‐77レーダーは2000個)、広範囲の空域に対する同時捜索能力および多彩な機能を実現している。機能のモードとしては、空対空モードと空対地モードに加え、従来のレーダーにはなかった電子戦モード(電子攻撃、電子妨害)や航法支援モード(気象モード、航法アップデート)、さらに自動目標指示機能も有する。
 空対空モードでは、アンテナ径が小さいため最大探知距離は約300km級とみられるが、同時対処能力はAESAレーダーらしく優れている。試験では、相手にレーダー波をほとんど逆探知されることなく、9秒ほどでレーダー覆域内の23目標を探知・追尾することができるという。ステルス機では、とりわけ自機のレーダー照射波を敵機に逆探知され難くする、低迎撃可能性(LPI:Low Probability of Intercept)機能は極めて重要である。APG‐81は、毎秒1000回を超える周波数変換により迎撃可能性を低減させている。短時間のレーダー走査による探知データの処理能力が高いということであろう。そしてRCS値が0.1uの第4.5世代機であれば、距離130kmで探知(および照準攻撃)が可能とみられている。
 EOTSは、機首下部のカヌー型透過ガラス張りのケースに格納されたパッシブ型の複合目標捜索照準センサーで、赤外線とレーザーを利用する。したがってレーダー波のように敵機に捜索を逆探知される恐れがまったくない。その赤外線機能では、空対空の赤外線捜索追跡(IRST)、空対地の前方監視赤外線(FLIR)追跡を行う。IRST機能を使った空対空モードでの最大探知距離は、約200kmとされる。まさにレーダー並みの性能であり、ステルス隠密飛行中の戦闘機用センサーとしては、最高のシステムに違いない。
 次に防御機能用のセンサーは、AN/AAQ‐37(DAS:electro-optical Distributed Aperture System)電子光学分配開口システムと、先進型電子戦/電子防御装置のAN/ASQ‐239を搭載する。特にAAQ‐37は、中波/長波赤外線を複合的に使う、革新的な多用途防御センサーである。
 その主要な機能は、接近してくるミサイルの探知および追跡、ミサイルの発射位置の探知、赤外線捜索追跡(IRST)および目標指示、兵器支援、昼夜間の航法と幅広い。その高性能なDAS赤外線センサー(視野90度)は、機体各部の6か所に内蔵されており、機体を中心にして360度全周を球体状に常時、捜索・監視・画像視認することができる。センサーの探知能力は極めて優秀で、検知した画像データは攻撃指示にそのまま利用できるほど精度が高い。試験では、弾道ミサイルを1300km以上の距離から探知・追跡している。つまりF‐35は、ミサイル防衛用の空中監視センサーとして使用可能であり、これは余禄以上の能力と評価できよう。
 F‐35の積む通信システムの情報ネットワークは、4系統から構成されている。見通し線内で使うVHF/UHF無線による音声通信。近接航空支援に使う戦術データリンクのVMF(可変連絡フォーマット)。空対空/空対地戦闘用のデータリンクとして主用するリンク16。そしてF‐35ステルス戦闘機編隊内やE‐2D早期警戒機との間で連接する多機能先進データリンク(MADL:Multifunctional Advanced Data Link)の4つである。特に高度なソフトウエア無線技術を適用したMADL(マーデル)は、高脅威環境での運用のため開発された高性能な双方向・秘匿データリンクで、通信データが敵に傍受される、あるいは妨害される恐れがなく、リアルタイムの敵情報を編隊内で共有することができる先進システムだ。
 MADLを持つF‐35編隊では、レーダー捜索する役目のF‐351番機と、レーダーを止めて対空ミサイルの発射のみを行う2番機というような役割分担ができる。そして、1番機が早期探知した敵機のデータをMADLで受領した2番機は、敵機にまったく気付かれることなく、AMRAAMを発射する先制攻撃スタイルの戦闘が可能である。レーダー捜索役の1番機もステルス性能によって、敵に探知される可能性は低い。MADLは、F‐35が具備する高度な情報ネットワーク連接の中核となるデータリンクと言えよう。
 F‐35が持つ攻防両用センサーと、情報ネットワークは、画像を含む膨大なデータをもたらす。しかしこのままでは利用できないので、コンピューターがデータをセンサー融合し、パイロットが理解しやすいフォーマット(記号・画像・指示)に変換してコクピットのディスプレーに表示してくれる。ディスプレーは、先進的なタッチ・パネル式の1枚大型スクリーン(幅20インチ、高さ8インチ)となっており、パイロットは必要に応じて画面を分割し、地図・戦術状況・飛行諸元・兵装状況・各種センサーの画像等を見ることができる。]
画像

 以上の通り、F‐35はロシアのPAK‐FAや中共のJ‐20よりRCS値で2桁ほど優れたステルス性能に加え、高い情報認識力と情報支配能力により、露中のステルス戦闘機を圧倒できるのは間違いない。そして、F‐35のSTOVLタイプであるF‐35Bを導入し、「ひゅうが」級や「いずも」級に搭載して「ライトニング母艦」として運用すれば、我が国の防空能力(攻撃力も)が飛躍的に高まるに違いない。
 ただ、いざ有事となれば、ライトニング母艦が真っ先に標的にされるのは間違いなく、殊に人民解放軍が各種揃える対艦ミサイルによる飽和攻撃から生き残れるかどうか大きな懸念があるのも事実だ。
 この不安から高価で大型のヘリコプター搭載護衛艦を整備するよりも、潜水艦や汎用護衛艦(DDあるいはDE)を増強したほうがよいと考えるが、「ひゅうが」級や「いずも」級を造ってしまった以上、これらを活かす道を考えるほかない。
 加えて、航空自衛隊の戦闘機戦力の増強は急を要する。ドナルド・トランプ大統領から「米国製兵器をもっと買え」と要求されてもいる。以上の連立方程式を解くには、F‐35Bの購入以外にはないように思うのだが。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
で、F-35のこれらの素晴らしい機能の全てが使えるようになるのはいつの日なのでしょうか?目指すものが野心的過ぎて、ソフトウェア開発もデスマーチしまくってますよね。
anonymous
2017/07/16 01:51
やはりおじぇじぇ次第でしょうな

ドランプも日本へ兵器購入しろと言ってますからね
日本空母
2017/07/16 02:23
A、主の言うとおり、何としても導入すべき革新性とちょ絶した戦闘コンセプト

B、ただ、分析さんの指摘は重大。
以外にも、ハイテク地獄とはプログラムソフトウェアに
その究極が来る、と言う予感です。確かな予感に近い。

C1、冷静に考えると、垂直離着陸機と言う意味での
F35Bの能力は隔絶。
たとえソフトウェア半完成で終わったとしても。

CR、そこで、次の方策とする。
最終的にも、F35は、ハイテク地獄、半端な完成しかしないと見切った上であえて導入。

F35Ax42
F35Bx42

さらに、そのうえで、その運用経験を生かし、

大幅スペックダウンして、実用統合データリンク機

Fゼロ

を開発。
日英米共同開発とし、F35はハイテク地獄未完成で終わることを見越し、幅広く、世界輸出を狙う。
F35は、たぶん、ニホンなんかはそこそこ使えても、
奸国なんかはハイテク地獄だけで終わると見ます。
Fゼロの需要はあると見ます。

そういう産業波及効果含め、GDP2まで達成するとして、
そこまでパッケージ達成。
まあ、至難の道にはなりますが、
達成すれば、かなり歴史の未来まで主導権は握れます。
分析さんの指摘は重大
2017/07/16 16:17
結局、それが無いと、旧ソ連海軍のように動かないハイテク地獄で終わります。
厨狂海軍は、まず間違い無く、冗長性も余裕も不足です。
それを気分だけ、厨獄100年の大計と思いこもうとしてるに過ぎません。

いずも型がF35B搭載に向いてそうなのも、
いずも型が、冗長性のかたまりみたいな艦だから。

ひゅうが型に積むとしたら、
小戦隊で基地ネットワーク型の戦闘で整備は主に別基地でやるような一時使用基地的な運用になると思います。

なので、大改造はむしろ得策で無いと思います。

いずもも同様。
余裕を持った小機数で無いとチカラ発揮できない可能性が高いです。
昔の空母の常用60機補用30機といっしょで、
全体的な整備兵站管理部隊の練度能力により、
艦自体の冗長性の高さにより、
一時的な満載機数も増える、と言うことになります。
そのためには、基地連携も今度は必要になります。

また、F35B自体の熟成度、機の熟成次第です。
進展が良く無ければ、前線基地のゲリラ運用中心になります。
そこまで覚悟してもやった方が良いと俺は
それほどの革新技術、革新戦技とみますが、
すべった時の覚悟と管理も最初から必要とみます。

実際、ハイテク地獄で全軍悪影響は覚悟しますし、
ある程度の予算全体増額も想定決め打ちしてやるしかないでしょう。

が、実際、予算が増額ペースに軌道に乗って来た時、
そのぶんをハイテク地獄追加ぶんに使わず、
稼働実兵力兵站増強に使うべきでしょう。

ハイテク地獄は非常に難しい問題で、
従来型のセクトの予算取り合いでは
到底、軍事革命は無理です。

強烈な全体統制と、柔軟な全体戦略コントロールも必要となるのです。
ジェダイの出番ですし、ジェダイに従うしか現実は無いと思います。居れば、のハナシですが。
冗長性と余裕
2017/07/17 08:33

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