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zoom RSS 航空自衛隊が直面する危機 E

<<   作成日時 : 2017/11/13 21:17   >>

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「航空自衛隊が直面する危機 E」

 昨日の続き。

 [(5) 行動時への備え
 @空自の行動用資材の備蓄状況
 空自は行動用資材として燃料、弾薬、搭載ミサイル等を備蓄しているが、行動時に急増する運用要求(急速練成、空中哨戒、機動展開等)や整備所要(戦闘損傷の修理・応急措置)に対応する部品は備蓄していない。予算に余裕のあった時期は、異常消費に対するバッファ(安全在庫)として一定量の部品を確保していたが、現在は支援対象年度の所要を満たす予算も確保できていない。安全在庫は言うに及ばず、部隊に先行充足すべき品目も不足し、補給請求の未処理件数が増加する状況にある。
 行動用資材としての維持部品の保有は利害得失を十分考慮しなければならないが、運用の実効性を確保するためには不可欠である。現実を踏まえ、想定すべき事態対処要領を運用と共有し、いつ事態が生起してもその時点で最善の補給支援ができるよう直ちに方針を統一しておくべきである。]

 ここで言う「行動時」とは、有事や有事に準じる事態における「作戦行動時」のことだと思われるが、その際、「急増する運用要求や整備所要に対応する部品を備蓄していない」と言うことは、要するに有事の際に戦えないと言うことだ。
 それどころか、「現在は支援対象年度の所要を満たす予算も確保できていない」ということなので、スクランブル対応、警戒監視、輸送、訓練などの恒常業務にも支障が出ていると思われる。
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 [A行動時に想定される後方支援
 島嶼防衛の正面では弾道/巡航ミサイル攻撃による被害が予期されるが、空自が保有する被害復旧、応急修理、一時使用の技術保証等の能力は限定的で、民間の支援(施設工事、各種装備品の検査・修理等)が不可欠である。
 自衛隊法103条(防衛出動時における物資の収用等)は一部の民間能力の利用を認めているが、空自が必要とする会社技術支援は対象になっておらず、作戦地域における民間能力の支援の問題は手つかずの状態にある。
 筆者は防衛企業関係者と懇談する際は「官民一体となった活動」を引き合いに、平時から事態対処時までのシームレスな協力関係を常に要望したが、会社の立場では社員に危険の及ぶ作業は契約困難であり、国として従事者の処遇や保障を定めなければ対応できないことも十分理解できる。組合や株主との関係も考慮しなければならず、何より作業当事者の意志次第である。これは極めてハードルの高い課題であり、現時点では浪花節的に連帯感を醸成するしかないが、事態が現実化する前に可能な限りの策を講じてもらいたい。空自の後方は官民一体でなければ成り立たないのだから。]

 空自後方に限らず、3自衛隊ともに有事の際に民間企業の協力なしでは戦えない。政府は、有事又は有事に準じる事態において、予め指定した民間人を徴用できる法律を整備する必要がある。併せて、社員及び企業に対するきちんとした保障も定めなければならないのは言うまでもない。

 [B日米同盟「装備における協力」の実効性
 東日本大震災のトモダチ作戦は日米共同の重要性を再認識させた。平成27年4月に結ばれた「日米防衛協力の指針」はこの時の教訓も踏まえ、平素から日米両国政府全体の情報共有と調整機能を強化するため、常設の同盟調整メカニズム(Alliance Coordination Mechanism:ACM)を設置し、運用調整の強化と共同計画策定の推進を明記している。「日本の平和と安全のシームレスな保障」の章では五つの事態における日米共同の具体的分野・手段を列挙し、後方(兵站)支援(Logistic Support)はその全部に共通する項目である。
 ACMの重要な役割・機能の一つが後方分野における相互支援の手続き・要領・関係部署の連携等を具体化することである。ガイドライン締結後トランプ政権への移行があり、どの程度進捗しているか筆者には不明だが、日米同盟の抑止力を高める上でも重要な作業である。日本側がイニシアチブをとって着実に推進すべきである。]

 全くの想像だが、航空自衛隊は有事の際には、米空軍からの相当な支援を期待しているのではないだろうか。殊に後方支援においては、弾薬・ミサイルや補修用部品などを緊急・優先的に融通してもらえると思い込んでいるかもしれない。だが、ACMで具体的に詰めておかないと、イザという時に当てが外れる―などということになりかねない。

 [3 空自後方の将来体制構築に向けて
 (1) 包括的・戦略的な体制改革の必要性
 空自後方は複合的危機に直面しており、個別の対策や目先の対処では如何ともし難い状況にある。
 (中略)
 本稿を執筆し改めて空自後方の課題の多さと大きさに圧倒される思いだが「問題は正しく提起された時、解決に至る」と言う。折りしも大綱見直し・次期中期防策定の作業が本格化する時期にあり、指摘した各種の課題に対し包括的・戦略的な取り組みを進める絶好の環境にある。空幕は後方のみならず正面の体制・態勢についてもあるべき姿を追求しなければならない。これまで後方は正面に付いてくるものという位置付けであったが、正面の実効性を担保するには後方も一体であることを銘記して柔軟かつ大胆に改革を進めて頂きたい。]

 大綱見直しや次期中期防の策定作業では、3自衛隊の後方に光が当たり、“戦える自衛隊”にすべく、抜本的且つ包括的な後方体制整備のための取り組みがなされることを願う。
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 [(2) 空自が目指すべき後方
 体制改革のためには目指すべき将来像を明確にして課題解決の選択肢を評価しなければならない。これまでの経緯と現状分析を踏まえると、今後、空自が対応すべき事態の運用支援を確実にするためには次のような後方体制・態勢が目標となろう。
 @各種事態対処時に運用と一体となって活動する強靭な後方態勢。
 A資源配分を適切にし、各装備品を一元的かつ効率的に管理する後方体制。
 B企業及び後方基盤全般を強化し、平時から行動時までシームレスに共同できる官民関係。
 C日米及び多国間の後方支援協力の改善・発展と実効性の確保。
 いずれもハードルが高く、補給本部単独であるいは短期間で達成できる目標ではない。行動時における民間企業の支援は法令や制度の整備が不可欠であり、関係企業はもとより国民全体の理解なくしては進まない。FMSに関わる日米後方支援関係の改善には両国政府による踏み込んだ協議が必要となろう。
 だが、これらは現時点において既に直面する課題であり、いざという場合に「想定外」と言うことは許されない。大綱見直し・次期中期防策定の主管たる空幕は、補給本部・装備庁はじめ関係機関・企業等との意見交換を十分行い、具体的な事業や施策を立案・計画する責任がある。
 後方支援体制の課題は、陸海空共通の予算や定員に関わる問題から各自衛隊の装備品毎に特有の事情まで幅広い。今回の大綱見直し・中期防策定作業は、装備庁が設立されて初めてとなる。限られた資源の競合は避けられないが、防衛省全体として後方の実効性を高めるため、部分最適ではなく全体最適を実現することを強く期待する。防衛省改革の結果、装備庁が設立された目的をぜひ達成していただきたい。

 結びに  (省略)  ]

 尾上定正・元空将は補給本部長として、複合的危機に直面する空自後方を目の当たりにし、已むに已まれぬ気持ちから敢えて空自の致命的欠点を公にされたものと推察する。現役の自衛官・防衛官僚は、尾上空将の指摘や提言を真剣に受け止め、大綱見直しや次期中期防の策定作業にこれを活かしてほしい。
 また、私たち国民も3自衛隊が置かれている深刻な状況を認識し、防衛力整備を怠っている政治家の尻を叩かねばならない。

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
シロート向きにわかりやすい施策で大枠を確保、
はったり金ぴか装備並べてシロート説得予算確保、
戦時にはブースト掛けて実戦力化

まったく間違ってる。
ヘタな駆け引きはやめ、正道で行くべき。

兵站整備、スペアパーツ、補充人員、補充戦力、
戦時教育組織急拡大、
シロート目には弱そうに見えても、
しっかりとした裏付けのある実戦力を基盤とし、
それを戦時拡大すべき。

それを理解しないえせシビリアンコントロールなら
国が滅ぶのは避けられない。

それを表面だけ糊塗して未来に解決を延ばすなら、
本当に亡国となってしまうだろう。

まったく実質本位として
フィンランド
イスラエル
などは何度やっても強敵を撃破し、
大敵に囲まれた小国として
稀な生存を勝ちえて来た。

一撃で粉砕された独中央軍集団。
独にはジェット戦爆もタイガーパンサーキングタイガー戦車もあったのである。
同じ集中攻撃を食らってフィンランドは生き残り
ただひとり和平を勝ちえた。
本当にローテク装備しか無い。
3号突撃砲とMe109が少数あれば充分だったし、
無くても同じ結果が出た可能性は強い。
邪念を廃し、正道で行くべし
2017/11/14 02:44

実際、フィンランドとかイスラエルに武官を派遣して
基礎から、兵站計算訓練をやった方がいいんじゃないのか?マジで。

逆に言えば、兵站計算見積もり計画こそが米軍の門外不出。
何か勘違いしてるんじゃないのか?

えせシビリアンコントロール
バカ政治屋バカマスゴミバカ国民に媚びを売る必要はまったく無し。
そのような方法論は実は存在しない。錯覚だ。

理解しなければ、ただ、国が滅ぶのみ。
それしか選択枝は無い。
実戦力構成に回帰すべき。
WW2の負けたのとまったく同じ方向に退化してしまっている。

まあ、最近の陸自の新コンセプトは良いですけどね。

その上で、この際、航空支援は米軍にお願いし、
空自の予算を制限して陸自に回すよう、要求すべき。
えせシビリアンコントロールに媚びを売るな
2017/11/14 02:45
A、F15ちっくなモノはすべて
米空軍ストライクイーグル、州兵旧式F15、
可能ならありったけ補充してもらうが、結局、1週間程度で
戦力は喪失すると予定する。
主に兵站補充整備の意味で損耗して戦力喪失すると予想する。

B、なので、むしろ、かき集め消耗役として
F15部隊は割り切る。

C、1週間後以降はF2、F4改のみ稼働させて戦う。
あまりF15に無駄なリソースは費やさない。

D、足りないのでとうぜん、陸自の航空支援戦場制空作戦偵察は米軍にやってもらう。
と言うか陸自部隊が米統合軍に組み込まれて戦う。
海自も同様。

E、F15部隊は緒戦のすりつぶし用と割り切る。

F、陸自北方重装兵団もそう。
戦時敵侵攻前緊急展開、張り付け守備隊として
消耗戦を担当させる。
そのためには守備展開時に兵站スペアパーツ現地蓄積も必要であり、そのための施策予算は必要になる。

G、海自については、わざわざ消耗させる部隊は無い。
水上艦隊決戦は避け、空水中から敵艦隊は撃滅すべし。
現実的作戦
2017/11/14 02:56
逆に中共軍についても同様。
はったり装備部隊を狙わず、
ローテク実戦力部隊の消耗撃破を狙う。
すなわち、はったり装備部隊はほっておいて良い。
むしろほっておいた方がより過大な負担がかかり
崩壊が早まる。案外に誇張では無い。

A、優先して撃破すべきは、

特殊部隊
空挺部隊=軽歩兵と言う意味

J10イスラエル戦爆部隊
JH7旧式戦爆部隊
高等訓練機軽爆稼働部隊

油槽艦

H6バジャー爆撃機
バジャー海面偵察機

敵策源
敵港湾、飛行場
特に整備工場、部品工場
電力施設
長江にかかる橋

もちろん、たとえば商船の脅威となる
潜水艦などは進出してくれば優先して叩く

上記は優先順位のモデルだ。
フランカーとか撃墜する必要はあまり無いことに留意せよ。
すなわち、F15の任務も考えてるほど多くは無い。
逆もまた真なり
2017/11/14 05:48
たとえば、

A、弾道弾なり巡航ミサイルがオキナワ本島を襲った場合、とうぜん、現地サヨク集団も破壊活動を実施するだろう。

B、その報復として妥当なのは、上海等重要港湾の
荷降ろし荷積みクレーン施設の破壊。

と言うことになる。
戦争なので当然だし、
ローテクな報復手段になる。

それがいやなら、むしろ考えにくいが
本当に劣勢なら、
敵商船を通商破壊しても良い。

それが戦争だ。
その覚悟を持つことが戦争を抑止する。
核戦争を抑止する。

核弾頭の10発20発より我がローテク潜水艦隊の方が
壊滅的な戦略抑止兵器であることを自覚すべきだ。
また覚悟を持って実行する決意を固めるべき。
億単位で敵を餓死に導ける。
それこそが悲惨な核戦争の回避となろう。
必要なのはハイテク兵器で無く、
実戦力ある稼働兵器と練度と覚悟と哲学的優越だ。
ローテクな逆襲
2017/11/14 05:56
中共でも北朝鮮でも韓国でも
あまりにも横暴な脅迫を続けるなら、
報復として、

A、ベトナムにローテク稼働潜水艦を供与
B、台湾にローテク稼働潜水艦を供与
C、インドにローテク稼働潜水艦を供与

する戦略的選択枝を我が国は持つ。

この方が、核戦争にエスカレートする階段を登るより
ずっとマシであろう。
何をサヨクマスゴミにこびへつらい土下座し
彼らのご機嫌をうかがう必要があるだろうか?

敢然として実施する選択枝を戦略として保持すべきで、
むしろ敵の横暴は好機として軍事援助を断行し、
究極的で破滅的な人類悪な敵の行動を阻止すべき。
最終的な解決につながる。
宥和政策はヒトラーを助長したようにむしろ危険だ。
敵の出方に応じ、断固反応する戦略を保持すべき。
そのためのローテク稼働戦略バックボーンを構築すべき。
張り子の虎では最終的には
敵に有能な将軍が出て、ローテク手段でニホンは打倒されてしまう。
ローテクで道義的な戦略的逆襲
2017/11/14 06:03

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