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zoom RSS イージス・アショア配備、秋田市・萩市の陸自演習場で調整

<<   作成日時 : 2017/11/17 21:49   >>

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「イージス・アショア配備、秋田市・萩市の陸自演習場で調整」

 政府は、導入を目指すイージス・アショアの配備候補地を秋田市と山口県萩市の2カ所の陸上自衛隊演習場に絞り込み、地元と調整に入ったという。16日付朝日新聞電子版は次のように報じている。
 [陸上イージス配備、秋田市と萩市で調整 陸自演習場に
 政府は北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射に対抗するため、新たに東西日本に1基ずつ配備する迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の候補地を秋田市と山口県萩市の2カ所に絞り込み、地元と調整に入った。2023年度に運用を始める方針。
 政府関係者によると、政府は新型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」搭載のイージス・アショアを2基配備すれば、日本列島全体をカバーできると想定している。政府は運用主体となる陸上自衛隊の既存施設の中から、新屋(あらや)演習場(秋田市)、むつみ演習場(山口県萩市)の2カ所を有力候補地として選び、関係する地元国議員に今月上旬、設置の意向を伝え、協力を要請した。政府関係者によると、陸自が警備しやすい利点があるという。
 政府は当初、地元の電波障害などの懸念を軽減するため、既存の航空自衛隊レーダ−サイト基地である加茂分屯基地(秋田県男鹿市)や佐渡分屯基地(新潟県佐渡市)などを配備場所とする可能性を探ったが、「十分な敷地面積を確保する必要がある」(政府関係者)との判断から見送った。
 イージス・アショアの導入の閣議決定は来月で、米ロッキード・マーチン社製のイージス・アショアの本体費用は1基あたり800億円、計1600億円が見込まれる。政府は来年度当初予算には調査費を計上し、地質や電波障害の有無などを調べるほか、米国から専門家を招いて導入に向けた検討を進める方針だ。
 イージス・アショアの運用に必要な要員数について防衛省は当初、1基あたり100〜200人、2基で計200〜400人を見込んでいた。ところが複数の防衛省関係者によると、陸自は「施設の警備などを含めて1基あたり600人、2基で計1200人が必要」と要求しているという。装備計画などをつくる内部部局が「人員の純増は厳しい」と陸自の要求に難色を示しているものの、本件の取得費や維持費に加え、人件費についても巨額のコストが膨らむ可能性が出てきている。 (相原亮)]
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 結局、イージス・アショアの運用は、陸上自衛隊が行うことで決着したようだ。海上・航空の両自衛隊には人員に余裕はないので陸自にお鉢が回ってきたのだろう。また、陸自としても、島嶼防衛だけでなく、弾道ミサイル防衛にも係わることで組織規模の維持と予算の確保を図る思惑もありそうだ。
 ただ、陸自とてそんなに人員に余裕があるわけではないから、新たな部隊に1200人も人を割くのは容易ではないはずだ。イージス・アショア運用要員には、おそらく高射特科職種から重点的に人が回されるのだろうが、勢力縮小が予定されている機甲科や特科と違って、高射特科は従来通りの勢力が維持されるので、イージス・アショアに要員を回す余裕はないはずだ。実員増を行わないとすれば、普通科部隊を整理する必要が出てくるかもしれない。

 イージス・アショアを導入する目的は、言うまでもなく日本の弾道ミサイル防衛能力を高めるためだが、弾道ミサイル防衛からイージス艦を解放する意味もあることは文谷数重氏が指摘している通りだ(8月12日付当ブログ参照)。弾道ミサイル防衛をイージス・アショアに任せることで、海上自衛隊の「こんごう」級イージス護衛艦を南西諸島防衛などに回すことができる。
 ただ、イージス・アショアには、高額な整備費用、要員確保以外にも問題点がある。記事にもある電波障碍の懸念と固定式ゆえに敵の攻撃に脆弱なところだ。

 また、「イージス・アショアの本体費用は1基あたり800億円」とあるが、これはあくまで「本体費用」であって、建設費用は含まれていないと思われる。加えて、当然のことながら発射するミサイルがなくては“ただの箱”なのでSM‐3ブロックUAを調達する必要があるがこのミサイルがバカ高い(関連付属品やサービス業務を含んで1発あたり日本円で40億円超とも)。
 イージス・アショアは、1基(ユニット)あたり垂直発射機Mk41(8セル)3基で構成されるので、ミサイルをフル装填すると24発必要になる。2基で48発となるからミサイルの調達だけで2000億円近くかかることになる。
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 一方、弾道ミサイル防衛能力を高めるという点で言えば、「こんごう」級の改修も行うべきだろう。「こんごう」級イージス護衛艦の弾道ミサイル迎撃用ソフトウェアは、イージスBMD3.6なのでSM‐3ブロックTAしか撃てない。しかも、SM‐3ブロックTAはもう生産していない。
 「軍事研究」11月号掲載の井上孝司氏の記事「日本の対応は?「断じて容認できない」「断固とした抗議」 グアムを完全に包囲、あとは核弾頭を装着するだけ 「火星12」日本上空800km、3700kmを飛翔」によると、二波長シーカーを備えて能力を高めたSM‐3ブロックTBを運用するには、イージスBMD4.0.Xが必要で、ソフトウェアだけでなくシグナル・プロセッサの変更も必要になるという。
 勿論、最新型のSM‐3ブロックUAも撃てない。このため井上氏は、「『こんごう』型は延命改修を実施して運用を継続する方針が明らかにされているから、できれば予算を取ってベースライン9.C2とイージスBMD5.1に更新したいところではある」と指摘している。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
保守的な意味で妥当な戦略だと思います。

敵ゲリラの第一目標になるので、じゅうぶんにカバーされた基地が良いでしょう。

位置も妥当。
ロシアの弾道弾迎撃もにらんでる、と見ます。
妥当
2017/11/19 13:02
後年、北陸あたりに第三のイージス・アショアを配備すれば完成形か…
ハリネズミ
2017/11/19 21:13

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