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zoom RSS Su‐57ステルス戦闘機について @

<<   作成日時 : 2017/11/18 21:17   >>

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「Su‐57ステルス戦闘機について @」

 ロシアのPAK‐FA T‐50改めスホーイSu‐57ステルス戦闘機について、航空評論家の青木謙知氏が「軍事研究」12月号に「正式名称決定!第5世代戦闘機 実力分析、超音速巡航と高機動能力 ロシアのステルス戦闘機『Su‐57』」と題し、詳細な分析記事を寄稿している。
 青木氏は、「(Su‐57)の『ステルス性』や『センサー融合』、『ネットワークの活用』などは、外見からはうかがうことのできな能力である・・・・T‐50/Su‐57が、ロッキード・マーチンのいう第5世代戦闘機に合致しているのかは、まったく分からないというのが正直なところである」と断りつつ、以下の通り分析している。

 [機体構成とステルス性能
 (前略)
 (Su‐57の)「ステルス性」については・・・・スホーイも何も示していない。ただ、最新の戦闘機であり、高いステルス性の確保は必須の課題となった後の設計だから、そのレベルはさておいても、ステルス性の概念は取り入れて設計されているだろう、と推測されているのである。
 また機体の全体的な形状や構成で、F‐22と共通あるいは類似している点も少なくない。コックピット後方の胴体左右側面に開口部を設けて、主翼の下にダクトを走らせた空気取り入れ口、外側に寝かせた双垂直安定板、複数の角度を組み合わせた面取り形状の主翼端などがそれで、また胴体内に兵器倉を設けて、レーダー反射断面積を極大化する兵器類の機外搭載を極力行なわないという考え方も同様だ。
 なお空気取り入れ口からエンジンまではほぼまっすぐの位置関係にあるが、空気をまっすぐに導くと、取り入れ口から入ったレーダー波が、エンジンのファンに直接当たってそのまま反射波を戻してしまい、レーダー反射断面積を増加させてしまう。このためSu‐57のダクトは、少し内側に曲げたS字型になっている。
 操縦翼面は、主翼は後縁に外側と内側に分けたフラッペロンがあり、前縁は空戦フラップとしているし、水平安定板もともに全遊動式にしていて、これらもF‐22と同じである。
 もちろん相違点もあって、ヨー操縦は、F‐22が垂直安定板後縁の方向舵で行っているのに対し、T‐50/Su‐57は垂直安定板も水平安定板同様の全遊動式にしている。またT‐50/Su‐57は、主翼前縁付け根延長部の先端部を下折れ式の可動面にして、運動性の向上を図っていて、これはアメリカの戦闘機には見られないもの。ちなみにこの部分は、レブコン(LEVCON=主翼前縁渦流制御)と呼ばれていて、強い空気渦流を発生することが、機動飛行時の写真からも確認されている。
 もうひとつ大きな違いを挙げると、F‐22は2基のエンジンを、ほとんど間隔を設けずに横並びにしているのに対し、T‐50/Su‐57は広く間隔を取っている。これはMiG‐29“フルクラム”やSu‐27“フランカー”にも見られ、第4世代以降のロシア戦闘機における設計上の大きな特徴になっている。このような構成にすることで、後部胴体でも揚力の発生を得ることができるようになり、運動性の向上や航続距離の延伸などが可能になる。ただ一方で、平面が増えてしまうことから、単純に考えると、ステルス性ではデメリットになろう。
 ステルス性を高める技術のひとつとしてよく知られているのが、外板の継ぎ目や扉の縁などをギザギザにし、またその角度を統一する、エッジ・マネージメントである。T‐50/Su‐57でも、主翼前縁や水平安定板前縁など、同位置の角度が使われている部分はもちろんあるが、外板の継ぎ目などにはあまり見られない。ちなみに主翼の付け根延長部の前縁後退角は約47度、垂直安定板の前縁後退角は約45度で、垂直安定板全体は機体の垂直線から外側に約26度傾けられている。
 試作初号機と2号機の初飛行は無塗装で行われて、鮮明な写真が公表されているので外板の様子がよく分かるが、主翼や胴体の上面はかなり小さなパネルの組み合わせになっていて、組み合わされている角度の種類も多いように見える。降着装置や兵器倉の扉の縁も、先端部と後端部には角度を整えた三角形が用いられているが、いくつかを組み合わせてギザギザにしているかというと、そうではない。ただステルス性は、エッジ・マネージメントだけでは決まるものではなく、レーダー波吸収素材(RAM)やレーダー波吸収構造(RAS)の適用なども大きく係わってくるので、これだけをもってしてステルス性を云々することはできない。]
画像

 Su‐57の機体形状は、誰が見てもステルス性の確保を目指したものであることは間違いないが、エッジ・マネージメントなど、不徹底なところも見られるとのことなので、F‐22ラプター戦闘機と比べるとRCSは劣るようだ。また、RAMやRASについても、詳細不明ながら米国に迫るのは難しかろうと思われる。

 [電子システムとIRST
 量産型となるSu‐57のミッション電子システムは、Sh121多機能統合型無線電子システム(MIRES)と101KSアトール電子光学システムが中核装備となる。
 Sh121MIRESは、NOビェルカ・レーダー・システムとL402ヒマラヤス電子妨害装置からなり、機種レドーム内にはXバンドのNO36‐1‐01アクティブ電子走査アレイ(AESA)レーダーが収められている。このレーダーのアンテナには、1552個の送受信モジュールが設けられている。そしてこれに加えて、機種下面にNO36B‐1‐01B小型AESAレーダーを同時に使用することで完全なレーダー覆域を得ることになる。NO36B‐1‐01Bアンテナにある送受信モジュールは358個で、探知距離などは公表されていないが、空対空モードで最大215nm(約400km)程度とみられ、空中目標では62個を同時に追跡し、そのうちの16目標を攻撃できる能力があり、空対地でも4目標との同時交戦能力を有しているとされる。
 またレーダーとしては、主翼前縁の空戦フラップ内にNO36L‐1‐01Lバンド・レーダーが収められていて、敵味方識別装置として使われるほか、電子戦システム向けの情報源にもなるとされる。さらにこのLバンド・レーダーにより、ステルス目標の探知も可能になるともいわれているが、モノスタティックで自らが激しく動くものであるから、そちらの効果はほとんど期待できないであろう。また、テイルコーン内に後方象限用のレーダーを装備するともされているが、その詳細は不明である。
 レーダーの情報については、新しいデータリンクを介して、ほかの作戦航空機と情報を共有することが可能になるという。またこれは、友軍航空機だけでなく、地上や空中の統制機関も含まれ、これによりパイロットの状況認識力が高まるとともに、ワークロードが軽減される。ただその実現のためには、航空機をはじめとする空軍の作戦装備品や各種の施設が互換性を有する器材などを装備しなければならず、現在のロシア空軍のレベルは不明だが、基盤構築には時間を要するだろう。
 電子戦関連では、前記したL402ヒマラヤス電子妨害装置を装備し、そのセンサーのひとつが、2基のエンジンの間にあるドーサル・スパインの張り出し内に収められていると見られる。このシステムについても、詳細は公表されていない。
 風防の前で、機体中心線からわずかに右寄りの機首部上面には、101KS‐V赤外線捜索追跡装置(IRST)がある。このIRSTは、アトール電子光学システムの構成品のひとつで、目標が発する赤外線(周囲との温度差)を検出してそれを目標として認識し、追跡する装置で、Su‐57のものは複数の目標を同時に探知・識別・追跡する能力があるとされている。
 またSu‐57の機首部とドーサル・スパインには、レーザーによる熱源追尾ミサイルに対する妨害装置が備わっている。アトール電子光学システムの構成品にはほかにも、101‐KS‐O赤外線対抗手段装置、101‐KSU紫外線ミサイル接近警報装置、101‐KS‐N航法および目標指示ポッドがある。
 Su‐57のコックピットは、フレームの一切ない風防と、水滴型で後方スライド式で開くキャノピーで覆われていて、パイロットの全周視界は良好だ。コックピットは、Su‐35Sのものに似た設計といわれ、2基の対角線寸法38cmのカラー液晶表示装置を中心としたグラス・コックピットになっていて、主計器盤の上には視野角30度×22度の広視野型ヘッド・アップ・ディスプレーがある。
 パイロットは、ズベズダK‐36D‐5ゼロ‐ゼロ射出座席に座り、通常はNSTsI‐V(ZS‐10)照準および表示装置付きのヘルメットを着用する。そのほかにも、酸素マスクは新しいRPK‐7になり、耐GスーツもWCC‐17となり、ともにCOP‐50酸素システムから加圧酸素が供給される。飛行操縦装置はデジタル式のフライ・バイ・ワイヤで、操縦装置はサイドスティック操縦桿などではなく、通常の在来型だ。]
画像

 第5世代戦闘機の肝は、「ステルス性」よりも、「センサー融合」や「ネットワークの活用」にあるとされる。この方面の技術でロシアは、米国から一歩も二歩も遅れているとみられる。殊にネットワークを活用して戦う―ネットワーク中心の戦い〈NCW〉―ための基盤構築には、青木氏が指摘される通り、時間を要するのは間違いないだろう。

 【T‐50/Su‐57のデータ】
 全幅:15.0m、全長:20.8m、全高:5.1m、主翼面積:79u、主翼前縁フラップ面積:4.75u、主翼後縁内側フラッペロン面積:3.4u、主翼後縁外側フラッペロン面積:1.6u、空虚重量:18500kg、通常離陸重量:22000kg、最大離陸重量:37000kg、エンジン:サチュルン117M(AL‐41F1A)、ドライ時最大推力:108kN、アフターバーナー時最大推力:176kN、エンジン:2基、機内燃料容量:12800L、増槽(最大):2500L×2、最大水平速度:マッハ2、超音速巡航速度:マッハ1.6、海面上昇率:12000m/min、実用上昇限度:20000m、航続距離(超音速ミッション):810nm/(亜音速ミッション):1890nm、フェリー航続距離(標準燃料):2150nm/(最大燃料):2975nm、行動半径:650nm、固定武装:GSh‐310(9A1407K)30mm機関砲×1、ハードポイント:12か所(機内6+機外6)、最大飛行荷重制限:+9G/−3G、乗員:1。

 以下、明日に続く。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
ヒトコトで言えば分裂症的なデザインです。

もちろん、中共のようなおもちゃの類いでは無く、
手ごわい敵手としての厳しいせめぎ合いの中で言えば、です。

A、ステルスに高性能レーダーを積んでも、
ニンジャがちんどん屋やってるようなものであまり意味は無い。
ただ、その意味では、ロシアの熱源探知は優れてるとのウワサがある。

が、ステルス機のほんとの本当の探知は光学探知と
それを自動識別して選択表示するプログラムだ。
容易に想像できるが、そんなに簡単なことでは無い。

B、ステルス機の本来の威力を発揮するには、
低速低空で敵レーダーに平行になるように
カーブを切るように機動しながら交戦位置まで至る必要がある。
すなわち、実は、なかなか低空の安定性も重要で
その意味で、クルビットみたいなくだらない一発芸に逃げてる東側のフライバイワイヤ不安定機体にはおおいに疑義がある。

X2の安定性はある意味、隠れた本道だ。

本当は、偵察センサーステルスと火力プラットフォームは分けた方が良い。
それで初めてステルス機も威力を発揮する。
分裂症的戦闘機
2017/11/19 12:48
低空戦闘になるので、
いざという時はステルスも
常時で言えばパルス的使用だとしてもAWACSも
火力プラットフォーム機も、

すべて下向きレーダーとクラッター雑音排除重要情報選択のプログラムは非常に重要になる。

これは歴史的に東側がずっと劣っていた技術である。
プログラムだけで無く、整備部品一個の精度性能でも
実際には莫大な差が出てしまう。

中空高速進出して集団戦闘をしても良い、
それを想定してフランカーなども設計されているのだろうがそれだと

A、自軍SAM地上レーダー領域内で無いとこころもと無い。敵領域だとどれくらい損害出るのか予想が付かない。

RA、実はフランカーとは自領域内での長距離迎撃格闘戦専用戦闘機に近い。

それはそれで良いのだが、では、このSu57は?
なんとも中途半端な用途不明な戦闘機に見える。

最先端の技術はロシアにとって福音と言うより
呪いとなろう。
クラッター処理
2017/11/19 12:55
これらの考察から次のよなイメージを得る。

A、心神偵察ステルスのデータリンクを元に

B、Fゼロ戦爆が火力戦闘

C、敵攻撃回避管理にも優れるP1-AWACSが支援
空自の未来
2017/11/19 12:57

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