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<<   作成日時 : 2017/11/19 21:17   >>

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「Su‐57ステルス戦闘機について A」

 昨日の続き。

 [ロシアの独擅場、三次元エンジン
 Su‐57のエンジンは、サチュルンのイズデリェ(タイプ)117で、AL‐41F1の型式名称を持つと見られているターボファン・エンジンである。Su‐27“フランカー”ファミリーに使われているAL‐31の改良・発展型で、基本型はドライ時で93.1kN、アフターバーナー使用時で147.1kNの最大推力を有し、F‐22のF119‐PW‐100に匹敵する大推力エンジンである。
 さらにこのエンジンでは、パワーアップなどの改良が続けられ、量産型のものはドライ時で108kN、アフターバーナー使用時で176kNにまで増加するとも考えられている。この強力なエンジンを装備したことにより、Su‐57はアフターバーナーを使わずに超音速に加速し、そのままの速度を維持する、超音速巡航(スーパークルーズ)能力も備えるとされる。仮にそれが実現すれば、F‐22に続いて2機種目の実用スーパークルーズ・ファイターとなる。ただそのスーパークルーズ速度はマッハ1.6程度と見られ、F‐22のマッハ1.82よりは少し遅い。
 エンジン排気口は、ロシアの新しい主力戦闘機と同様に、あらゆる方向に向けて作動する、三次元型の推力偏向排気口である。この種の排気口はロシアの独擅場で、アメリカの実用戦闘機はF‐22しかなく、しかも上下方向だけの二次元型である。これは運用要求や戦闘機に対する考え方の違いによるところもあるから、一概にどちらが良いなどということはできないが、やはり三次元型の方がピッチ、ロール、ヨーの三つの操縦軸すべてにわたって効果をおよぼし、運動性を高められることは確かだ。エンジンの制御は、完全なデジタル電子式のFADECである。]
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 これからの空戦は、遠距離からのBVR空対空ミサイルの撃ち合いで決するので、第5世代戦闘機に推力偏向ノズルは必要ない、との見方もあるが、一方で、「自機を追尾するミサイルから回避する際などに有用」(先進技術実証機試験隊長・坂本大助2佐)との意見もあることから、三次元型推力偏向排気口を備えたロシア製エンジンがその効力を発揮する場面がないとは言えない。 

 [ミサイルとガン
 兵器類は、F‐22と同様に、高いステルス性の確保のために兵器倉に搭載される。この兵器倉は全部で6つで、中央胴体に、左右に並べた兵器倉が前後に配置されて4区画あり、左右空気取り入れ口開口部脇の主翼前縁付け根延長部の下側にそれぞれひとつずつ設けられている。その大きさから、主翼前縁付け根延長部下のものは視程内射程(WVR)空対空ミサイル専用の兵器倉となり、胴体下側の4区画がそれ以外の兵器を収める主兵器倉になる。
 主兵器倉に搭載するのは、視程外射程(BVR)空対空ミサイルだけで最大搭載数4発となる。このため、兵器倉にのみ兵器を搭載する空対空戦闘仕様の空対空ミサイルの最大携行数は、BVR×4発+WVR×2発の6発になる。
 主兵器倉の寸法は、全長が約4.6m、幅が約1mで、VMKU‐50LおよびVMKU‐50U兵器ランチャーが備わっている。この兵器倉の寸法や兵器ランチャーから、主兵器倉には今のところ、空対空ミサイル以外の兵器類は搭載できないと考えてよい。Su‐57がステルス性を発揮できるのは空対空戦闘時のみで、それ以外のミッションでは高いステルス性は求めないという、はっきりとした割り切り方である。
 これはF‐22でも同様だが、F‐22の場合は主兵器倉に1000ポンドJDAMやSDBといったGPS誘導の爆弾を収容し運用できるようにされていて、攻撃力は限定的であるものの、使用を想定している全ミッションでステルス性を維持するようにしている。
 一方Su‐57では、多任務作戦能力を得るために、比較的大型の空対艦ミサイルや空対地ミサイルも搭載が可能にされる予定だが、それらについては機外6か所のハードポイントに装着されることになる。もちろん機外に兵器類を搭載すればステルス性が大幅に低下するので、高いステルス性が求められないミッションに限定される。誘導爆弾などの攻撃兵器は、今のところ搭載兵器にはリストアップされていない。 (後略)]
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 高度に防護された敵陣地などを攻撃する場面などでは、ステルス機による誘導爆弾等を用いた攻撃は効果的だと思われるが、今後とも、Su‐57の兵器倉には爆弾の搭載を計画していないのだろうか? F‐22が搭載するSDBのような爆弾が搭載できれば、運用柔軟性が高まるはずだが。

 Su‐57に搭載が計画されているミサイル等を簡単に記す。
 ◇アクティブ・レーダー誘導空対空ミサイルR‐77(最大射程80km)。パッシブ・レーダー誘導型のR‐77P/RVV‐PE、赤外線誘導型のR‐77T/RVV‐TEもある。また、レーダー・シーカーをAESA式に変更するR‐77Mの開発が行われている。
 ◇赤外線誘導短射程空対空ミサイルR‐73。初期型R‐73M1。固体燃料を増加し射程を延ばしたR‐73M2(最大射程30km)、信管をレーダー近接/目標センサー信管にしたR‐73E、レーザー・センサーを加えたR‐73ELがある。
 ◇空対地ミサイルKh‐38。推進装置は固体燃料ロケット、誘導方式は慣性航法装置、終末誘導装置は使用目的/目標により異なったものを使用でき、それぞれに型式名が付けられている。Kh‐38MAE(アクティブ・レーダー誘導型)、Kh‐38MKE(衛星誘導型)、Kh‐38MLE(レーザー誘導型)、Kh‐38MTE(赤外線誘導型)。弾頭は、高性能炸薬破砕型、子弾散布型、装甲貫通型から選択。各タイプとも最大運用射程約40km。
 ◇空対艦ミサイルKh‐35。1980年代に開発が行われた対艦ミサイルファミリーで、艦対艦の3M60ウラン、地対艦の3K60バル、空対艦の3M24が作られた。1997年には3M24M1ウラニウムと呼ぶ発展型の開発が報じられ、グロナス衛星航法システムの受信機能を装備したことで最大射程を250kmとし、対地攻撃も可能にしている。推進装置はターボファン、誘導は中間は慣性航法装置、終末はアクティブ・レーダー・シーカー。
 ◇対レーダー・ミサイルKh‐58。1987年に実用化された大型で長射程(最大250km)の対レーダー・ミサイル。推進装置は固体燃料ロケットで、Su‐57用のものは、Su‐30MKの搭載兵器としてもリストアップされている最新型のKh‐58UShKEと呼ばれるもの。
  ◇固定武装として、右LEVCONの付け根部にGSh‐31 30mm機関砲を1門装備。発射速度は毎分1500〜1800発。砲口速度は900m/秒。携行弾数150発。

 [輸出されるSu‐57
 ロシア空軍は、Su‐57のスタート・プログラムであったPAK‐FAについては、2016年に受領を開始して150機以上を装備するという計画を立てていた。ただその後、作業に遅れが出るなどしたこともあって、2012年には、装備開始は2016年で変わらないものの、装備機数を60機以上に減らした。そして2014年12月の発表では、2020年までに55機を受領するとだけされて、全体の装備機数は示されなかった。現在でもロシア空軍によるSu‐57の総装備計画機数は不明で、海軍も導入するともいわれているので、最終的な機数はそちらとの関係も影響してくるであろう。いずれにしても、最新の情報では、2017年に量産型の製造が始まっていて、2018〜19年には、何らかの形でロシア空軍での就役が始まるとされている。
 スホーイではT‐50/Su‐57を、輸出戦闘機としても提案していくこととしていて、ロシアが韓国空軍の次世代戦闘機として提案するという情報も流れたことがある。ただこれは、韓国の次世代戦闘機計画フェイズ3の提案締め切り(2012年1月)までに提示が行われなかったため、検討対象から外れている(ロシアとスホーイの本気度も疑わしかった)。
 より現実的な輸出先と考えられているのがインドで、ヒンダスタン航空機(HAL)の第5世代戦闘航空機(FGFA)計画あるいは多任務戦闘機展望(PMF)のベース機とすることが考えられている。あるいはインド空軍が購入を決めれば、FGFAやPMFに代えて、HALによるライセンス生産へと進む可能性だってある。 (後略)]

 Su‐57の総装備計画機数が決まらないのは、厳しい財政事情が影響しているのではないだろうか。ロシアのGDPは我が国の4分の1程度だ。その経済力で、大規模な核戦力を維持し、欧州のどの国よりも大きな陸海空戦力を持ち、第5世代戦闘機を開発・製造・配備するのはとてつもなく大変なことだと想像される。どうやってこれだけの軍隊を維持するカネを捻出しているのか不思議だが、その秘密が分かれば我が国も学ぶところがあるかもしれない。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ロシアは昔から大出力のシンプルエンジンは強いです。
それはたぶん、重工主義者としてのスターリンの天才性と関係があります。
スターリンを宣揚してるわけでも賛美しているわけでもありません。

A、コスト安く、低整備悪環境低コスト整備製造で動く
T34のディーゼルエンジンのシンプルな優秀性は、
ソ連を勝利み導いた

B、ただ、現状の戦闘機用大出力エンジンなどは、
昔のソ連スターリン重工主義の遺産を
暴走して食いつぶしてるような状態であろう。
整備性と稼働性が悪すぎる

C、が、いつでもその技術と生産文化は当初の健全な
叩いても壊れない強さに回帰する可能性があるので
要注意にも要注意だ。
エンジン
2017/11/19 22:22
A、ソ連は米国から設計図を盗み出してAIM9
熱源探知追尾短距離ミサイルの模造品を作った
が、それは大失敗に終わった

B、部品の精度が劣るため、数分の一の戦闘価値しか出なかった

C、また、それを製造するのに、より多大な負担を社会に掛けた。
帳面上は安価なのだが、それは統制経済であるからだけであって、より事態は深刻に、
最後にはミサイル以外のすべての物品が不足し、
商店からすべての商品は消えた。
ミサイル
2017/11/19 22:26
だが、ソ連流の重工主義は、
砲弾や無誘導ロケット弾を大量生産するのは得意だ。

やはり、いつでも回帰する可能性があり、要注意だ。
シンプルな弾薬
2017/11/19 22:27
ロット数を伸ばさなければ到底ペイしないので
輸出も必要。絶対条件だ。

学ぶところは無い。
単なる戦時態勢。
第2の冷戦をやってるに過ぎず、早晩経済は崩壊する。

スターリン時代の圧倒的な重工優勢、ニホンと比して、
GDPでも生産でも圧倒的優勢、
それが今や圧倒的に劣勢な経済生産力だ。
過去の遺産のシンプル大量生産遺産で食ってるにすぎない。

と言うことは、学ぶべきはその過去にある。

T34、RPG7、AKB47、トラック搭載多連装ロケット、
シュトルモビク、3進法の編成大量師団、
それを生かせる制御されたジューコフ流全面圧力突破形成

米国もずばり学んでいて、たとえば

A10攻撃機

これは実は総力長期戦生産サイクルになれば米国の切り札に近い。LCCがすごい安く、ほこりだらけの前線でも動く

ニホンは先進重迫とMCVと言う他国に無いものがある。
これもローテクハイテクミックスで、
その方向の延長線上にニホンの未来がある。

MCVも、T34に最高級の通信機と照準器が乗ってるようなもんだけどね。
戦時重工経済って意味でスターリンに習うところはあるのだろうと思うけど、俺も門外漢で内容はわからない。
手品
2017/11/19 22:38

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