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zoom RSS 深刻なデフレマインド

<<   作成日時 : 2017/11/27 21:08   >>

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「深刻なデフレマインド」

 エコノミストの安達誠司氏が23日付「現代ビジネス」に寄稿している「世界景気に完全依存する日本経済、なぜ『あの教訓』に学ばないのか」と題した記事は、一向に抜け出せそうもないデフレを考える上で大変参考になる。

 安達氏は、「2017年7−9月期のGDP統計の内容はあまり良くなかった。実質GDP成長率は、季節調整済みの前期比年率換算で+1.4%にとどまった・・・・日本経済の回復は一進一退である」とし、「実質GDP成長率がプラスに転じた2016年1−3月期以降の平均的成長率は年率で1.7%弱であった。これは、このところ回復ペースを早めてきた米国やユーロ圏の主要国と比較してもいかにもこころもとない数字である」と指摘している。

 成長率が低かった理由は、内需の弱さだ。平成28年度補正予算の効果が剥落し、外需に頼り切っている状況だ。「内需の回復は不十分で、日本経済が世界景気の回復にほぼ完全に依存している姿が浮き彫りとなった」と、安達氏は述べている。
 外需頼りでは、「リーマンショックのような事態が発生した場合、日本経済はかなりダメージを受け、デフレ圧力が再び高まるリスクがある」と警告、「内需の回復を最優先にし、内需と外需のバランスをとるように心がけるべきではないかと考える」としている。

 政府は、早急に大型補正予算を組んで内需を刺激しないといけない。そうしないとデフレ脱却なぞ到底叶わない。だが、与党やエコノミストの一部からは早くも「出口政策」が語られ出している。これについて安達氏は、「このような経済の状況が中途半端な段階で、『デフレ脱却』という拙速な判断の下、安易な『出口政策』を行わないことではないかと考える」と警鐘を鳴らす。

 ただ、公共投資だけで内需が力強く回復するとも思えない。個人消費が弱いからだ。安達氏は次のようの述べている。
 [日本経済の実態がいまひとつである最大の理由は家計消費の低迷である。以前の当コラムでも指摘したが、日本の家計消費は、2014年4月の消費税率引き上げ以降、「2つの意味」で低迷している。
 図表1は、1994年以降のGDP統計の実質消費支出の「水準」の推移を示したものである(ただし、対数表示にしている)。
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 「2つの意味で停滞」しているという意味は、1)消費「水準」が、消費税率引き上げ前のトレンド(図表中のB)の延長線上に戻っていないこと、2)消費の拡大パターン(図表中のCの角度)が、それ以前の消費の拡大パターンを下回っていること、の2つを意味している。
 これは、消費税率引き上げ前に圧倒的大多数のエコノミストが主張していた、「消費税率引き上げ後の消費水準の落ち込みは、その前の『駆け込み需要』の反動によるものであり、それはある期間が経過するとリバウンドするはずだ」という見方と、「恒久的な増税となる消費税率引き上げによって消費の水準が下方修正されたとしても消費の拡大ペースは変わらない」という見方が、いずれも外れたことを意味する。

 この家計消費の低迷を業者側(供給側)の統計でみたのが図表2である。
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 この表では、家計消費を非選択型個人サービス(電力・ガス、保健・医療、教育などの義務的支出)と嗜好型個人サービス(外食、娯楽などの余暇関連の支出)に分類している。図から明らかなように、2014年4月の消費税率引き上げによって、嗜好型個人サービスの支出が大きく落ち込み、その後の回復も鈍いことがわかる。
 しかも、嗜好型個人サービスは、2016年終盤から2017年前半にかけて比較的大きく上昇したものの、2017年半ば以降、再び低迷している。]

 家計消費の低迷の理由は、「賃金上昇が十分ではない」ことではないと安達氏は指摘し、下図を示している。
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 その上で、「2014年4月の消費税率引き上げ前までは、可処分所得と消費支出の間には正の相関関係がみられた(すなわち、可処分所得の減少は消費支出の減少をもたらす)。だが、消費税率引き上げ後は無相関になっている」と指摘している。

 安達氏は、消費低迷の要因として、貯蓄率の上昇を挙げ(図表4)、「2014年4月以降の貯蓄率の上昇は、まだデフレ脱却が実現する前に消費税率引き上げを断行したことによる景気悪化に対する備え(予備的貯蓄)ではなかったかと思う次第である」と分析している。
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 そして、「2019年10月の消費税率引き上げを撤回せずに様々な経済対策を施したとしても消費の回復はままならない・・・・中高年世代の消費をさらに冷え込ませるリスクがある・・・・(政府が子育て・教育関連支出を増やしても)子育て世代が・・・・その分、他の支出を増やすかといえば、その保証は全くない」と結論付けている。

 最後に安達氏は、「2019年の消費税率引き上げに関して、安倍政権は現段階ではコミットせずに、デフレ脱却に全力で取り組む方が政権安定にもつながるだろう」と提言しているが、全くその通りである。
 2019年10月までにデフレ脱却できるとは思えないので、消費税率を引き上げれば消費がさらに冷え込むことは目に見えている。消費者の財布の紐はますます固くなり、予備的貯蓄が増えるだけだ。

 今のデフレが深刻なのは、2014年4月の消費税率引き上げ前までは、可処分所得と消費支出の間には正の相関関係がみられたのに、消費税率引き上げ後は無相関になっていることや、嗜好型個人サービス支出が、特段の理由もなく、2017年半ば以降再び低迷していることでも示されている通り、消費者心理の根っ子の部分にまで「デフレマインド」が浸透していることだ。
 ゆえに、安倍政権がよほど思い切った経済対策を講じない限り、この根深いデフレマインドを払拭することなぞできない。
 大規模な財政出動だけでは払拭するのは無理なような気がする。これまでにない大胆な手を打つ必要がある。
 例えば、所得税の基礎控除を廃止し、その代わりに所得に対する消費比率に応じて控除率を定める方式に改めたらどうか。消費すればするほど控除率が高くなるようにするのだ。これなら所得の低い層には不利とされる消費税率引き上げと違って、中・低所得層にも恩恵が及ぶ。中・低所得層の消費が活発になるに違いない。消費額の把握は、控除されるのはクレジットカード等払いに限るとすれば容易にできる。これくらい大胆な施策を行わない限りデフレマインドの払拭は難しいと思われる。

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内 容 ニックネーム/日時
A、おそらくは、戦争の脅威が、消費マインド
特にぜいたく消費の抑制となり、高所得層の蓄財を
招いていたような気がします。
これが春〜夏過ぎくらいまでの状況

AR、健全な軍事力、防衛態勢によって、今後のこのような事態を改善できる方向にバイアス掛けられます。
そのような軍事産業創出施策は、全体の賃金も押し上げます

B、年末近付くにつれ、景気、特に消費は上がってる気配がある。

BP1、日経平均上げ2万突破などの影響
資産が増えた恩恵を得る層も居る、米ほどでは無いけど、
と言ったところ。その波及効果。
BP2、世界的な好景気、株高の影響
BP3、だんだん海外からの観光客の影響が大きくなって来た

いずれにせよ、

C、消費税上げ>不景気
はむしろ、資産層には規定主想定事実
なのでそこで、おおいに蓄財に入り消費は冷え込み
不景気に突入する

C2、それにカウンターするモーメントもあるが、
そっちがけっこう大きい場合、
不景気まで行かず、まあまあの傾斜した景気拡大を
伴いながらデフレになる。

これがメインシナリオかもしれません。
外国人の消費頼み、になりかねません。
2017年の消費マインド
2017/12/29 19:04

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