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<<   作成日時 : 2015/06/14 20:52   >>

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「ロシアの新型戦車T‐14について」

 5月9日、モスクワの赤の広場で第70回対独戦勝記念パレードが行われた。複数の新型装甲車輌が初めて公に披露され、大いに注目を集めたが、中でも人々の目を引いたのは新型戦車「T‐14 アルマータ」だ。
 ミリタリーライターの奈良原裕也氏が「軍事研究」7月号に「ついにベールを脱いだアルマータ・ファミリー! 無人砲塔、アクティブ防護、遠隔操作銃塔 『T‐14』戦車王国ロシアの生んだ新型戦車」と題する記事を寄せており、その中でT‐14について詳しく解説しているので、掻い摘んで紹介する。
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 ○「アルマータ」とは重プラットフォームの呼称で、T‐14だけでなく、重歩兵戦闘車T‐15や2S35自走砲のプラットフォームにも使われている。それゆえ、T‐15もアルマータと呼ばれる。ただし、2S35はコアリツィアの愛称を持つ。
 T‐14はウラル車輌工場で開発され、既に20輌が完成し、そのうちの7輌が今回のパレードに登場した。

 ○サイズは、奈良原氏の推測では、全長約10m、車体長約7.3m、車幅約4m、重量約50トン(48トンという情報もある)。

 ○乗員は車長、操縦手、砲手の三名で、車体前方に設けられた装甲カプセルの中に集中配置される。このような配置とすることで乗員の安全性は大幅に向上しているが、このような構造をとるためには砲塔を無人化し、また従来、高い位置より外部視察を行ってきた車長の視察装置を全てカメラ等に切り替え、肉眼での直接警戒を事実上行わないことを示唆している。非常に革新的だが、このような構造に対応する戦闘システムが実戦に適合するかは未知数だ。事実上、外部視察装置やセンサー類が使用不能に陥ってしまった場合、車長が周辺状況を手に入れる手段がなくなってしまう危険性がある。
 一方、メリットとしては、乗員の安全性向上、砲塔の小型化による被弾率、発見率の低下、乗員ハッチ不要のため全てを装甲で覆うことが出来る点などがある。
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 ○主砲は新型の2A82‐1M・125mm滑腔砲で砲身長はT‐80やT‐90搭載の2A46と比べて90cm長い。一部情報では、搭載弾数は45発、うち32発を砲塔内の自動装填装置に搭載。
 また、この砲はエバキュエーター(排煙器)を装備していない。おそらく無人砲塔だから燃焼ガスが逆流し、砲塔内に充満しても問題ないからだと考えられる。
 使用砲弾は、従来の分離式弾薬から固定式弾薬に替わった。対戦車ミサイルZUBK21スプリンターの発射も可能。将来的には、152mm滑腔砲に換装可能。

 ○自動装填装置は、従来のカセトカ式とは異なり、スライド式の横並び型のようである。これは90式戦車やルクレール等と同様の構造で、砲塔こそ大きくなってしまうが、砲塔リングに砲弾を配置するカセトカ式と比べて構造を簡単にする(装填装置の可動範囲を小さくする)ことが可能で、万が一誘爆しても被害を最小限に抑えられる。

 ○副武装は、主砲と同軸に7.62mmPKTM車載機銃を装備、砲塔上面には対地対空兼用の12.7mmKorb重機関銃(7.62mmとする文献もある)をRWSに搭載する形で装備している。RWSはT‐90MS(SM)が搭載するものの改良型で、基本的な構造はほぼ同じ。ただし、車高を低くするために機銃架の高さを車長用のCCTVサイトとほぼ同じにまで低くしている他、細かい部分で異なっているようだ。
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 ○砲塔前面左側に大きく開いた部分は砲手用サイトで、それ以外に砲塔左右の上部と下部に二つずつ計四つの開口部が見られるが、これらはレーザー警戒装置並びにアクティブ防護システムのセンサーと思われる。
 さらにその下には左右に五基ずつ計十基の大きな円筒状のものが見られるが、これがアフガニトAPS(アクティブ防護システム)である。その直上にあるのがアフガニト用のセンサーで、上のほうがレーザー警戒装置と推察される。
 アフガニトは従来のシュトーラ1やアリーナ等の技術や実績の上に開発されたロシア最新のAPSで、自車に向かって飛んでくるロケット弾やミサイルを探知すると、自動で迎撃体を射出し、車体に着弾する前に向かってくる弾体を破壊、無力化するハードキル・タイプの防御システムである。
 砲塔と車体の間に見える左右計十基の円筒状のものが迎撃体のランチャーで、弾体は散弾銃のシェルのような構造となっている。
 またこれとは別に砲塔上面の左右にボックスに収まる形で発煙弾発射機も設置されているが、従来のソ連戦車が砲塔の前面や側面に短い円筒状の形で一列に並べて装備していたのと比べると、取り付け方法が一新されている。
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 ○エンジンは、ロシアのインターネット情報では、チェリャビンスク・トラクター工場製の12H360(A‐85‐3A)ディーゼル・エンジンで、最高出力1200馬力(ただし、短時間であれば1500馬力まで発揮可能)、最高時速80〜90km、航続距離は整地で500km。
 変速機は電子制御式の無段変則(厳密にいえば12段変則)のオートマチック・トランスミッション。

 ○従来のソ連/ロシア戦車では定石であったERA(爆発反応装甲)タイルの大量設置がT‐14では見られない。
 車体前面、CCDカメラの前のボルト止めしてあるところに複合装甲が封入してあると推測され、砲塔に関してもレーダー(注:ママ。レーザーの誤植か)検知器並びにアフガニトAPSのセンサーから前に複合装甲が存在すると奈良原氏は推測している。
 車体側面のサイドスカートには、後半部にスラットアーマーが装着してあるが、前半部に取り付けられているのが、もしかしたら複合装甲かもしれない? これらの装甲はモジュール式になっているといわれている。
 砲塔上面には、対戦車ミサイルのトップアタック対策や市街地での高所からの攻撃に耐えられるよう、装甲板が張り巡らされている。

 以上、奈良原氏の記事の要点を記した。尚、今回登場した試作車の価格は4億ルーブル(1ルーブル2.5円換算で10億円)とロシアの戦車としては非常に高額。量産効果が出ればもっと安くなるだろうが、T‐80やT‐90がこれまで4〜5億円であったことを鑑みると次元が違う、と奈良原氏は書いている。
 ロシアは、「アルマータ」を年間500ユニット、2020年までに総計2300ユニット製造する計画だという。T‐14だけでこれだけの数を調達するのかは判然としないが、既存の兵器の調達を止めてまで「アルマータ」の調達に注力するそうなので、ロシアとしての期待値の大きさを感じることが出来よう、と奈良原氏は指摘している。
 原油安、ルーブル安、経済制裁の三重苦に苦しむロシアが、「アルマータ」を計画通り調達出来るか、大いに疑問だが、戦車の数を極端に減らした西欧諸国にとっては、ロシアの新型戦車の登場は脅威だろう。

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