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zoom RSS トランプ大統領の無茶ぶり

<<   作成日時 : 2017/11/05 21:05   >>

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「トランプ大統領の無茶ぶり」

 ドナルド・トランプ大統領がやって来た。大統領をめぐる狂騒はここでは触れないが、5日付産経新聞に首を傾げたくなる記事が出ていた。
 [「日本、迎撃すべきだった」
 北ミサイル トランプ氏、対応に疑問
 【ワシントン=共同】北朝鮮が8〜9月に日本列島上空を通過する弾道ミサイルを発射した際、日本が破壊措置を取らなかったことについて、トランプ大統領が東南アジア諸国の複数の首脳に「迎撃すべきだった」と語り、日本の判断に疑問を表明していたことが4日、分かった。複数の外交筋が明らかにした。

 安倍晋三首相は5日からのトランプ氏訪日で、北朝鮮の核・ミサイル開発に足並みをそろえて対処する日米の緊密な連携をアピールしたい考えだが、トランプ氏は日本に、より強力な対応を求める可能性がある。
 外交筋によると、トランプ氏は8〜10月、東南アジア諸国首脳らとの電話会談や直接会談で、北朝鮮への圧力強化策を協議。その際に「自国の上空をミサイルが通過しているのに、なぜ撃ち落とさないのか」「武士の国なのに理解できない」などと、日本が破壊措置を取らなかったことへの不満を口にしていたという。
 北朝鮮は8月29日と9月15日に北海道上空を通過する弾道ミサイルを発射した。日本政府は日本に落下する可能性はないと判断し、自衛隊法に基づく破壊措置を取らなかったとしている。
 トランプ氏は、米本土に到達する核搭載の大陸間弾道ミサイル(ICBM)運用能力の獲得を急ぐ北朝鮮に対し、軍事力行使も辞さない姿勢を堅持しているが、実際に日米が迎撃に踏み切れば北朝鮮の過剰反応を招く可能性が高い。
 マティス国防長官は、日本領土への着弾などが予想される「直接の脅威」がなければ自衛隊や米軍が迎撃する必要はないとの見解を示しており、トランプ氏の発言とは温度差がある。]
画像

 トランプ大統領の発言が事実とするなら、大統領は自衛隊の弾道ミサイル防衛能力についての説明を受けていないか、受けていても理解できていない、あるいは忘れてしまっている、と思われる。
 防衛省の発表によると、8月29日に発射された「火星12」は、最高高度約550km、飛翔距離約2700kmで、襟裳岬東方約1180kmの太平洋上に落下した。
 また、9月15日に発射された「火星12」は、最高高度約800km、飛翔距離約3700kmで、襟裳岬東方約2200kmの太平洋上に落下した。
 一方、日本海で北朝鮮の弾道ミサイル発射に備えて、警戒監視にあたっている海上自衛隊の「こんごう」型イージスBMD艦が搭載する弾道ミサイル迎撃用ミサイルは、ミッドコース迎撃用のSM‐3ブロックTAだ。同ミサイルの射高は約200kmとされるので「火星12」には届かない。つまり、撃ち落したくても撃ち落せないのだ。
 それに、仮に北朝鮮の弾道ミサイルの最高高度が、SM‐3ブロックTAの射高より低かったとしても、数少ないSM‐3ブロックTAを日本の領土に落下する恐れのない北朝鮮の弾道ミサイルに対して使うのは無駄撃ちだ。経済的でないばかりか、北朝鮮が本当に我が国領土に向って弾道ミサイルを撃ってきた際に迎撃するためのミサイルの数を減らすことになるので軍事的合理性もない。

 そもそも我が国の弾道ミサイル防衛能力は極めて限定的なものだ。軍事研究家の井上孝司氏が「軍事研究」11月号に寄稿している「日本の対応は?『断じて容認できない』『断固とした抗議』 グアムを完全に包囲、あとは核弾頭を装着するだけ 『火星12』日本上空800km、3700kmを飛翔」と題した小論によると、海上自衛隊の弾道ミサイル迎撃能力は以下の通りだ。
 [公式に明らかにされた数字はないが、SM‐3ブロックTAの射高は200km、SM‐3ブロックTBで220km程度との情報がある。実際、2008年2月14日に軍事衛星「USA‐193」をSM‐3ブロックTで撃墜したときの交戦高度は247kmだったとされる。これは「火星12」が記録したピーク高度と比べると半分以下だから、SM‐3ブロックTで交戦するのであれば、落下に転じて交戦エンベロープ内に入ってきたところで迎え撃つかたちになる。
 さて、日本の場合、「こんごう」型ミサイル護衛艦はベースライン5とイージスBMD3.6の組み合わせだから、SM‐3ブロックTしか撃てない。
 一方、BMD対応改修によってベースライン7からベースライン9に更新する「あたご」型の2隻。それと、当初からベースライン9で建造計画が進んでいる2隻の8200トン型護衛艦(27DDGと28DDG)は、ベースライン9.C2とイージスBMD5.1の組み合わせによってSM‐3ブロックUAの運用が可能となる。
 2018(平成30)年度概算要求では、SM‐3ブロックUAだけでなくSM‐3ブロックTBも調達対象に挙げている。これは、SM‐3ブロックUAを撃てない「こんごう」型への配備を念頭に置いたものだろうか。後日に追加調達していなければ、BMD改修に合わせて9発を調達したSM‐3ブロックTAだけでは継戦能力に不安が残る(1発は改修後の試射で射耗しているので、残りは8発のはず)。
 2波長シーカーを備えて能力を高めたブロックTBを入手できるのであれば、それに越したことはない。そもそも、もうブロックTAは生産していない。ただ、SM‐3ブロックTBを運用するにはイージスBMD4.0.Xが必要である。そして、ソフトウェアだけでなくシグナル・プロセッサの変更も必要になるので、「こんごう」型では所定の改修を行わなければ、SM‐3ブロックTBを運用することはできないはずだ。]

 「SM‐3ブロックTで交戦するのであれば、落下に転じて交戦エンベロープ内に入ってきたところで迎え撃つかたちになる」とあるが、これは米海軍イージスBMD艦が「火星12」からグアムを防衛する場合などに考えうる戦法であり、海上自衛隊の「こんごう」型が我が国を防衛する場合には当て嵌まらないのは言うまでもない。
 また、井上氏が指摘する通り、海自が「こんごう」型1隻当たり、SM‐3ブロックTAを9発しか調達しておらず、現存、8発しかないのなら、我が国領土に着弾する恐れのない北朝鮮弾道ミサイルに対して無駄撃ちできるわけがない。

 疑問なのは、平成30年度概算要求で「こんごう」型では運用できないはずのSM‐3ブロックTBの調達を目指していることだ。井上氏は、「『こんごう』型への配備を念頭に置いたものだろうか」としているが、SM‐3ブロックTBを運用するには改修が必要になる。だが、今のところその予定はないはずだ。
 推測するに、SM‐3ブロックUAの価格がバカ高い―井上氏によると米ミサイル防衛局の調達価格は1発あたり3614万6079ドル(1ドル113円換算で約40億8450万円)。尚、同氏は関連する付属品やサービス業務まで含んだ価格と推測―ので、「あたご」型及び「27/28DDG」ではSM‐3ブロックUAとTBを混載して運用する積りではないだろうか。
 井上氏は「こんごう」型でもSM‐3ブロックUA/TBを運用できるように「予算を取ってベースライン9.C2とイージスBMD5.1に更新したいところではある」と述べている。当然、そうすべきだろう。

 トランプ大統領に以上のような軍事知識があるとは思えない。同大統領は、思いつきで喋ったり、ツイートしたりしていると思われるので、「迎撃すべきだった」とする発言も、おそらくはその場の思いつきで口にしたものと推測される。
 従って、この“無茶ぶり”発言自体には大した意味はないが、注意すべきは、北朝鮮をめぐり、トランプ大統領が日本に対して「より強力な対応」を求めてきた際、日本が何もしなかった(できなかった)場合だ。
 トランプ大統領は、日本の憲法上の制約や自衛隊の能力などについての知識はないと思われるし、仮にあったとしても、そんなことはお構いなしに我が国に対して、軍事的な対応を含め、実行不可能な要求を突きつけてくる可能性がある。
 その時、日本政府がトランプ大統領の納得する対応を取らなかったら、大統領は激怒するに違いない。トランプ大統領と安倍晋三首相の個人的な信頼関係も、あっと言う間にふっ飛ぶ恐れ強い。日米関係は修復不能なほど悪化する―少なくともトランプ政権が続く限り―のは間違いないだろう。

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
いずれにせよ、こちらは、防衛政策、戦略、大戦略を着々と推進すべきだと思います。

大きな歴史の流れの前では、個人などは小さいモノだとも言えると思います。
それがたとえ大統領であろうが首領であろうが書記長であろうが、です。

いずれにせよ、

A、防衛費GDP2%程度の増強

B、核シェアと核開発オプションの確保
長い意味では、米国以外と提携する権利さえ有することの確認

C、その上で、日本の選択として、米国提携および
海洋同盟成立の選択。
ある意味、ニホン的なトランプ流選択の表明。
独立国の意志の表明。

D、それらを達成し、自国と同盟国、
特にアジア自由海洋側の同盟国を防衛するための
国際的競争力実行力の裏付けとなるレベルの
独自兵站軍需防衛産業の創成

まあ、いずれにせよ、政策を進めれば良いし、
その状況に現在はあると思われます。
米国の大統領がトランプであるか否か以上に
3海兵大将が要職にあるのが大きいです。

政策効果による人口増大無しでの経済成長への転換含め
チャンスは訪れた、と俺は考えてます。
防衛政策の推進
2017/11/06 01:38
現在のニホンは、サヨク勢力を抜きで国の真の主流としては、

A、非常に平和愛好な中道

であるので、
B、明朗会計間接費全算入な現在の軍事費用会計レベルで

国の戦略として、

C、最低GDP2%と、国際輸出軍事防衛産業の創設
D、極東米国軍との核シェア
E、極東戦域の実質、海洋帝国軍化レベルの連携達成
範囲は日米豪、さらに拡大と同盟対象を含む

これは、実行すべきアクションで、その上で、
敵手の横暴がこれ以上高まるなら次のオプションを持つ

F、核武装。だが、実行はしないが理論上選択を維持するだけの裏付け

F2、さらなる適性水準の軍事力。
たとえばGDP3〜4%
戦時可能性、日本への脅威が本当に生じるなら
GDP5〜6%レベル

F3、場合により、米国と距離を置いた戦略態勢の選択の可能性の維持。

そういうことを暗に表明してかまわない、
それがある意味、トランプ流とも言えそうです。

上記水準であれば、
米国以外の敵手であり、さらに海洋同盟の支援を得れば
敵を圧倒出来ます。
消極的支援であっても、敵を圧倒できるでしょう。

R、核の相互脅威で不使用相殺になるなら、
特に海上通商破壊、敵国中枢神経直接破壊の意味で
敵を圧倒できる

R2、絶対に避けるべきだが、
特に迎撃力の差で核応酬でも敵に優位を取れる状況を米国と提携するなら維持はできる。

逆にその現実から逃げて、核戦争は絶対に無い、
などの夢想現実逃避をするべきでは無い。

むしろこのままでは、核戦争は絶対に起きる。
明朗会計
2017/11/06 01:50
たとえ骨になっていようが、
断固として実行すべき。
それを米国単独作戦とかありえない。

戦争になった場合、
付随する副次作戦として救出作戦を実行するのは
避けてはいけない国の義務。

小さい問題に見えて、千年単位で未来に禍根を残す。
悪い習慣とテロの容認を
未来の人類に残すことになる。
しかもそのテロ行為からみの謀略で敵は核戦争の準備をしている。
そこにこの問題の隠れた本質もある。

あと、日本への憎しみ

圧倒的に巨大で強力な米国を直接打倒出来無いので
日本を打倒配下化手先化したいと言う敵の野望

それがこの問題の本質である。
めぐみさんの救出
2017/11/06 01:55
モノの貿易での対日赤字は689億ドル(約7兆7千億円)

単純な事実に気が付きました。

米の軍事費 6112億ドル 今年はかなり増えます

米企業の軍事製品売り上げ
2008年で世界上位20社に入るぶんだけで
1780億ドル
かなり以前、かなりの部分が輸出だと思う。

自動車関連も対日赤字が526億ドル

まあ、だいたい自動車だ。
だが、隠れた部分でかなりの額の
軍需製品部品、高級素材、工作機械、テスター
等々が輸出されてると考えうる。

一方、米軍事製品完成品はニホンがかなり買ってる。

解決策はひとつ。
ニホン企業が国内で直接軍事製品を製造して輸出すること。
それが自然なくらい、部品、素材、中間品、工作機械、プラントを作ってしまうチカラがあり、
いびつな産業貿易構造も限界が来た、と言うこと。

ニホンで軍需産業を興業すると、逆に
米国の部品、素材中間品その他を大量に買うことになり、
米国のニホンへの輸出が莫大に増えるであろう。
米国製武器を買っても、その30%くらい逆にニホンから米への輸出が増えたりしそう。
まあ、それはそれでいいんだろうが、
ニホンが輸出して米国部品を大量に買えば、
トランプは喜ぶであろう。
米軍事企業は抵抗あるだろうが、実は市場が違う。
ニホンが狙うのは、ソ連ロシア中国が取っていたような市場。
貿易不均衡と軍事産業
2017/11/06 19:28

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トランプ大統領の無茶ぶり 希典のひとりごとのブログ/BIGLOBEウェブリブログ
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